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降りみ降らずみ、利休鼠の雨に霞む銀座

眼科に行ったので、決めたとおりその足で映画館に行ったのでした。
金曜日なんでしたが。
「僕の妻と結婚してください」という、アイディアが卓抜な話を、
どう組み立てるのかに関心があったのですが、主人公を
すべてのことを、面白く変換する」がモットーの、バラエティの
放送作家として設定したことで、突飛な話が何とか、収まりが
ついています。

帰りに日本橋三越に寄って、たまに呉服売り場を覗き、
地下の食料品売り場はほぼ必ず歩く、というのが定番に
なりそうで・・・・

こんな弁当とポテトサラダを求めました。

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牛めしに過ぎないので、中身を見せるほどではないのですが“売り”は、神の国奥出雲産の「仁多米」使用です。

 

ポテトサラダも、フランス男が売り場に立っているトリュフ入り
などという、おごったのもありましたが、トリュフはさほど好きでありません。
キャビアは湯呑み一杯ぐらいは食べられそうですが、なくても平気な
程度の「好き」です。

日本橋三越の1階にしつらえられた日本庭園です。

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「命。天国のママへ」で、山林を取材して以来、ビルの中に
組み込まれた「森」や「流れ」などに心を奪われます。

最近はビルの入口の前に、のれんをかけているところも多くなり
無機質なビルに、天然素材の布が翻っているだけで、ほっとします。

ビル内部に森を組み込んでいるのは講談社の建物ですが(メンテナンスに
お金がかかるそうですが)、他には訪れたことはないのですが
豊島区の区役所に、森とせせらぎがあるそうです。

そこまで行かなくても、たとえば手すりや壁に木材を使うだけで、
ビルが息をし始めます。

呉服売り場の男物の人体に着せかけらている羽織りの丈が長いので、
訊いたら、いつの頃からか長めになっているとのこと。
大正風で感じが良いので、今度仕立てようと思っている羽織りは
長めに、膝が隠れるくらいの長さにしてみようかと思っています。

昨日たまたまアップした着物の画像の羽織りが、標準よりかなり
長めなのですが、何かぴたっと来るのです。

大正風と書きましたが、なんとなく明治大正期の羽織り丈って
長めの印象があるだけで、調べてはいません。

アンティークを探すと、着丈が長いのに袖丈が短いことが多いのです。

日本人の体型も、変わりつつあるのかもしれません。若者はそりゃ
極端に変わっているのですが。

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三越では弁当の他に、例の襦袢代わりに着られる半衿付き七分袖の半襟Tシャツを新たに求めました。外はこぬか雨に過ぎぬのに、手提げをビニールで覆ってくれて、やっぱり日本です。

 

今日(金曜日)の銀座は、降りみ降らずみのグレーのくすんだ光の中に沈んでいて、風情がありました。

「降りみ降らずみ」ももはや死語でしょうが、わたくしの脳裏にはまだ
生きた言葉として息づいています。

 

降ったりやんだりの意味ですが、曖昧模糊とした天気の様子を表すのに
これほど相応しい言葉はありません。天気予報用語の無味乾燥ではなく、
潤いが言葉にあります。

降ったりやんだり。

「神無月(かみなづき)ふりみふらずみ定めなき時雨(しぐれ)ぞ冬のはじめなりける」

日本語の特色は「調べ」の美しさにもありますが、音読するとこの言葉の連なりに流れるような旋律があることに、気づくでしょう。

出典後撰集 冬

タイトルの利休鼠は、グレーを表す和名ですが・・・・微妙に緑がかった灰色ということで、その差異を雑駁になった現代人の目は識別できるでしょうか、むろんわたくしを含めてのことです。

雨はふるふる 城ヶ島の磯に利休鼠の 雨が ふる  (西条八十)

 

 


 

誤変換他、文章の瑕疵は後ほど推敲致します。

アクセス数が増えるにつれ、コメント欄にレベル未満のコメントも
現れるようになり・・・・公開すると、読者の皆さんに反論の
お手間をかけ、かといって、わたくし本人が(反論は受け入れますが)、
誤読レベルの批判などに対応して時間とエネルギーを消費するのは
耐え難く不毛な思いをするので・・・・公開を控えさせていただく
コメントも今後あるかもしれません。ただ機能上、原因不明で
コメント不達のこともあるので、誤解されませぬよう。


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