たまたま朝つけたテレビで、舛添都知事時代に作成された
道案内のボランティア五輪ユニフォームを取り上げていました。
有識者会議の様子が映し出されていましたが、完膚なきまでに
“舛添ユニフォーム!の否定で、当然のことでしょう。
ところが、いささか驚いたのはスタジ側のコメンテーターの皆さんの
反応で、
「委員には若者も入れないといろんな世代の感覚が入らない」
美意識に年齢は関係ありません。偉大な世界の美術家は
年齢に無縁の仕事ぶりで、美意識というものは年代を経るに
従って、研ぎ澄まされていきます。利休もそうです。
コシノヒロコ氏が出ていらして、あの方の容貌はスタンダードな美人ではないけれど
79歳のコシノヒロコ氏を、わたくしはその衣装と相まって美しい、と拝見しました。長年かけて自分で作って来られたお顔。意志とメークの技術と、それを包む衣装で、自己演出なさっているお方。
もう確か20年ほど前になるかと思うのですが、コシノ氏デザインの
作務衣を二着求め、深緑に漆黒の粗めの格子が走ったり、くすんだオレンジを
地色にしたり、今でもその感覚は色あせてはいません。
アカデミー賞に招待でハリウッドへ行ったときも、その作務衣に
シルバー・フォックスの半毛皮を羽織ったりなどして重宝しました。(今では
考えが改まり、毛皮は避けていますが)
また一人の高齢のコメンテーターの方は、「なんでもかんでも、小池カラーに
するのはいかがなものか、選挙ではないのだから」という意見を出されていましたが、見当違いです。
グリーンは、取材を受けたコシノ氏がたまたま画帳に小池グリーンを
サンプルとして、他の色と組み合わせて見せただけで、
小池カラーにするとは言っていません。
その方は「現在の施政者は過去の施政の全てを否定する」とも言う意味のことも
発言されていましたが、これも甚だしい勘違いであり、ことは美意識に帰することです。
その高齢コメンテーター方の衣装はファッションチェック的に言えば、「・・・・・・・?」であり、いえ皆が皆洗練されている必要なこともなく、中にはただ清潔にきちんと着ていればいい、
という人もあり、それはそれで1つの見識です。
ただそのお召しになっている衣装の感性で、衣装を論じるか? と思ったのです。
小池氏の和服の趣味、それからふだんの衣装への感覚、アクセサリー使いを
拝見していると、“舛添制服”に虫酸が走るほどの嫌悪感を抱くというのは
よく解ります。気にならない人はきっといるのでしょうが、しかし
わざわざ美的基準から著しく外れるものを、制服として使うことはないでしょう。
五輪と東京のイメージに関わることです。お金はまた捨てることになりますが、
他の膨大な捨て金に比べれば3千万円ごとき、東京の印象をダサく下げることを
思えば、やり直しに反対はしません。
そして、テレビでは指摘してないし指摘もできかねるのですが、あの制服、
李氏朝鮮時代の門衛の制服と色使いが酷似していて、偶然かもしれませんが、
朴槿恵氏をまるでその飼い犬のような目つきで見上げていた
桝添氏を思う時、その韓国べったりぶりの姿勢とともに制服に拒絶感を
持つ人がいてもおかしくないでしょう。
わたくしはそれ以前に美的次元で、あんな醜いものをただでさえウザい
東京の盛夏に放って欲しくない、と思うものです。
歌舞伎や北斎、利休を見れば解るように日本は極めて美に対して
敏い国で、本来ありました。
会場にしろ、いったん決まったものを覆すのはよろしくないと言う人がいますが、
この杜撰な数字の経過を見ても同じ意見でしょうか。
▼2012年 競技場のデザイン決定 1300億円
それが、翌年ですよ、いきなり倍に跳ね上がりました
▼2013年 日本スポーツ振興センター(JSC)による試算 3000億円
ここで、さすがに「おかしいと」世論。それを受けて翌年。
▼2014年 日本スポーツ振興センター(JSC)発表 1625億円。
いきなり半分近く減る、無造作感。
▼2014年末 ゼネコンが試算したら、それが元の金額振り出しに。 3000億円
流石に気が引けたのか、
▼2015年7月 有識者会議に、JSCとゼネコンを交えての結論 2520億円。
当初、1300億円であったものが、結局(今のところ)2520億円。
雑駁すぎませんか。
拙文をアップする頃、会場移転で揺れていたことへの結論で出るのでしょうが、
そもそも「復興五輪」ありきではなかったでしょうか?「最初の計画を尊重すべき」なら、「復興」がどうするつもりなのでしょうね。これこそ、会場より先に「決まっていたこと」の一つです。
リオで旗を受け取ったからには返上はもう出来ませんが、つくづく五輪はもうなくていいものの1つになったと改めて思います。
誤変換他、文章の瑕疵は後ほど推敲致します。