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「生前退位」が憲法違反であることについて

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昨日3日は憲法の日でしたが、皇室典範(こ昭和22年法律第3号)が、憲法から派生したものである・・・・日本国憲法第2条及び第5条に基づき、皇位継承及び摂政に関する事項を中心に規律したものである、

ということはご存知ですね。

■第二条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

■第五条 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。

 

日本国憲法では、天皇に代わって天皇としての執務を行う制度として摂政を認めています。

摂政が置かれる場合に関する詳細は皇室典範の規定に委ねられています。

 

天皇が未成年である場合(皇室典範第16条第1項) 天皇が精神・身体の重患、重大な事故により国事行為を自ら行えない場合で、皇室会議の議を経た場合(同条第2項)

このたびの「生前退位」へのご意向は、法的に認められた「摂政」を置けば、あちこち無理を強いず、なだらかに事が運びます。上記皇室典範を読めば解るように、被災地訪問や慰霊などは天皇のお仕事とはみなされてはいません。

天皇陛下におかれましては、昔は譲位の例があるとおっしゃっているよし。しかし常々陛下は「平和憲法護持」を国民に対して訴えられていらっしゃいますが、その憲法に譲位の項目はございません。

また「先例」を事例としてお上げになるなら、戦前から、戦後直後まで機能していた大日本帝国憲法下では昭和天皇が、その皇太子時代に1921年から1926年にかけて大正天皇の摂政として就位していらっしゃり、なんの齟齬もございませんでした。

合法的に存在する摂政制度を用いず、憲法違反を押してまで「生前退位」を望まれる根拠が皆無であるところへ、このほどの発表によれば東宮御所に移られ、また使用人も80人と従来のまま。引退なさるのに、なにゆえこれだけの職員が必要なのでしょう。しかも私的行為は今までよりも増える目算だとかで、いよいよ生前退位の必然性に疑問を懐く国民が増えているようです。
東宮職と秋篠宮家に増員なら、天皇皇后両陛下へのお仕え人で補填すればよろしいだけのことを、なにゆえこうも冗費の出ることを。

上皇職は侍従職と同規模 80人態勢維持 私的ご活動増加も
産経新聞 2017/4/29(土)7:55配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170429-00000057-san-soci

抜粋

 天皇陛下の譲位後の称号となる「上皇」と皇后さまの新称号である「上皇后」を支える宮内庁の新たな組織「上皇職」について、同庁が現在の侍従職と同規模の約80人態勢で臨む方向で検討していることが28日、関係者への取材で分かった。陛下は譲位後、全ての公務を新天皇に譲られるが、私的ご活動は増える可能性があり、職員数を維持することで活動に支障がないよう配慮するとみられる。



 天皇の活動は国事行為と公的行為、私的なその他の行為に区分される。宮内庁は政府の有識者会議で譲位後のご活動について「象徴としての行為は、基本的に新天皇に譲られる」と説明。国事行為だけでなく、公的行為に区分される象徴としてのご活動についても引き継がれるとの見解を示している。

 


ただ、宮内庁関係者によると、両陛下は譲位後、関係者と面会するなど、お住まいの外へ出る機会を持つことを希望されているという。「私的ご活動に限れば、現状より増える可能性もある」(同庁関係者)とみられる。

       ーーーーーーーー 転載ここまで ーーーーーー

 

>「象徴としての行為は、基本的に新天皇に譲られる」

 

ここが不明です。ご退位とおっしゃるなら、全てを譲ることでありリタイア後も、かつての天皇としての行為をなさるおつもりなら、法を犯してまでの生前退位とはなんだろう、ということになります。

 

 

 

 



 

東宮御所は、そもそも公務を前提のお住いとして作られています。
公務はなさらないとする、天皇陛下がなぜそこに住まわれ、
皇嗣たる秋篠宮殿下と悠仁親王殿下がなぜ、そちらへ移られないのか、
という疑問も出ているようです。

また「象徴としての務めが十分に果たせなくなったから」という理由を上げられていらっしゃいますが、では皇太子殿下ご夫妻が「十分に果たせる」のであろうか、という疑義も。皇太子としての公務すら、スケジュール表を見れば空白多く、一方秋篠宮家はフル回転状態です。

煩瑣ですが皇室典範がいかに憲法と密着しているか、そしてこのたびの生前退位が憲法違反であるか検証するために、また生前退位と恰もワンセットとして盛んになった「愛子さま天皇擁立論」が妥当かどうか、全文を掲げておきます。

重要項目は青文字にいたしますので、そこだけ読んでくださっても構いません。

皇室典範
(昭和二十二年一月十六日法律第三号)

最終改正:昭和二四年五月三一日法律第一三四号


   第一章 皇位継承

 

第一条  皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。

 

第二条  皇位は、左の順序により、皇族に、これを伝える。 一  皇長子 二  皇長孫 三  その他の皇長子の子孫 四  皇次子及びその子孫 五  その他の皇子孫 六  皇兄弟及びその子孫 七  皇伯叔父及びその子孫

 

○2  前項各号の皇族がないときは、皇位は、それ以上で、最近親の系統の皇族に、これを伝える。

 

○3  前二項の場合においては、長系を先にし、同等内では、長を先にする。

 

第三条  皇嗣に、精神若しくは身体の不治の重患があり、又は重大な事故があるときは、皇室会議の議により、前条に定める順序に従つて、皇位継承の順序を変えることができる。

 

第四条  天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。   井沢注 皇嗣の即位は、「天皇が崩じたとき」と明記されていて、「生前」退位とことさら言われるゆえんです。皇后陛下は敏感にこの言葉に反応され異議を漏らされ、また譲位と言いなすべきという論もありますが、譲位など典範(憲法)にはなく、まさしく「生前退位」という呼称が、ことのありようにはふさわしいかと思われます。

 

   第二章 皇族

 

第五条  皇后、太皇太后、皇太后、親王、親王妃、内親王、王、王妃及び女王を皇族とする。

 

第六条  嫡出の皇子及び嫡男系嫡出の皇孫は、男を親王、女を内親王とし、三世以下の嫡男系嫡出の子孫は、男を王、女を女王とする。

 

第七条  王が皇位を継承したときは、その兄弟姉妹たる王及び女王は、特にこれを親王及び内親王とする。

 

第八条  皇嗣たる皇子を皇太子という。皇太子のないときは、皇嗣たる皇孫を皇太孫という。   井沢注 皇太子不在になれば、皇位継承権第一位の秋篠宮殿下を「皇太子」「皇太弟」とお呼びするに何の不都合もありませんが、なぜかしら頑なにどこかで、拒まれています。
秋篠宮家の現在の実質的お働きからしても、東宮御所にお住まいになられるのがふさわしいと思われます。皇嗣がお二人もいらっしゃるのだから。   「秋篠宮家は1990年の創設以来27年たち、国民の間にその称号が定着しているなどの理由から、宮内庁は存続が望ましい」   としていますが、称号が定着していて動かせないのなら、天皇は天皇、皇太子は皇太子のままで、よろしいという理屈になり、この言い分は破綻しています。   「秋篠宮さまは称号を変えない場合でも、皇位継承順位1位の皇族として対外的には「皇太子」と表記する「方向」だそうで・・・・   海外に対しては皇太子、国内に向けてはどなたかのお気持ちを斟酌して、皇太子とは及びしない? という、なんだか歯切れの悪い・・・・・「板挟み政府」の苦肉の策と思えなくもありません。   秋篠宮家の待遇は現在の皇太子ご一家と同等とする方向だそうで、その事自体は歓迎すべきこととしても、「ご退位」はじたいは結局、国民の負担が増えるだけのことでしょう。 ことここに来て、生前退位の必然性がますます希薄になりつつあります。

 

第九条  天皇及び皇族は、養子をすることができない。

 

第十条  立后及び皇族男子の婚姻は、皇室会議の議を経ることを要する。

 

第十一条  年齢十五年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。

 

○2  親王(皇太子及び皇太孫を除く。)、内親王、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。

 

第十二条  皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。

 

第十三条  皇族の身分を離れる親王又は王の妃並びに直系卑属及びその妃は、他の皇族と婚姻した女子及びその直系卑属を除き、同時に皇族の身分を離れる。但し、直系卑属及びその妃については、皇室会議の議により、皇族の身分を離れないものとすることができる。

 

第十四条  皇族以外の女子で親王妃又は王妃となつた者が、その夫を失つたときは、その意思により、皇族の身分を離れることができる。

 

○2  前項の者が、その夫を失つたときは、同項による場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。

 

○3  第一項の者は、離婚したときは、皇族の身分を離れる。

 

○4  第一項及び前項の規定は、前条の他の皇族と婚姻した女子に、これを準用する。

 

第十五条  皇族以外の者及びその子孫は、女子が皇后となる場合及び皇族男子と婚姻する場合を除いては、皇族となることがない。

 

   第三章 摂政

 

第十六条  天皇が成年に達しないときは、摂政を置く。

 

○2  天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く。   井沢注 「国事に関する行為」と明瞭に規定されているのだから、天皇が自発的に増やされてきた被災地訪問、海外慰霊旅などの、いわゆる「公務」は、これに含まれていません。そのたぐいの公務がお出来にならなければ、なさらないで済むレベルのことです。

 

第十七条  摂政は、左の順序により、成年に達した皇族が、これに就任する。 一  皇太子又は皇太孫  二  親王及び王 三  皇后 四  皇太后 五  太皇太后 六  内親王及び女王

 

○2  前項第二号の場合においては、皇位継承の順序に従い、同項第六号の場合においては、皇位継承の順序に準ずる。

 

第十八条  摂政又は摂政となる順位にあたる者に、精神若しくは身体の重患があり、又は重大な事故があるときは、皇室会議の議により、前条に定める順序に従つて、摂政又は摂政となる順序を変えることができる。

 

第十九条  摂政となる順位にあたる者が、成年に達しないため、又は前条の故障があるために、他の皇族が、摂政となつたときは、先順位にあたつていた皇族が、成年に達し、又は故障がなくなつたときでも、皇太子又は皇太孫に対する場合を除いては、摂政の任を譲ることがない。

 

第二十条  第十六条第二項の故障がなくなつたときは、皇室会議の議により、摂政を廃する。

 

第二十一条  摂政は、その在任中、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。

 

   第四章 成年、敬称、即位の礼、大喪の礼、皇統譜及び陵墓

 

第二十二条  天皇、皇太子及び皇太孫の成年は、十八年とする。

 

第二十三条  天皇、皇后、太皇太后及び皇太后の敬称は、陛下とする。

 

○2  前項の皇族以外の皇族の敬称は、殿下とする。

 

第二十四条  皇位の継承があつたときは、即位の礼を行う。

 

第二十五条  天皇が崩じたときは、大喪の礼を行う。   井沢注 この大喪の礼にも天皇陛下は異議を唱えていらっしゃり、とこうしてみると、生前退位とはすなわち皇室典範改正要求であろうと思われ、言わずもがなそこへのお口出しは憲法で禁じられています。

 

第二十六条  天皇及び皇族の身分に関する事項は、これを皇統譜に登録する。

 

第二十七条  天皇、皇后、太皇太后及び皇太后を葬る所を陵、その他の皇族を葬る所を墓とし、陵及び墓に関する事項は、これを陵籍及び墓籍に登録する。   井沢注 これに対しても皇后陛下が異を唱えていらっしゃいましたね。
皇后陛下もまた天皇陛下と共に、皇室典範改正の要求をなさっているということでしょう。 そもそも、「平和憲法護持」のご主張が、現政権への批判であり、憲法違反ではないでしょうか。皇后陛下の九条の会との密着も含めて。

 

   第五章 皇室会議

 

第二十八条  皇室会議は、議員十人でこれを組織する。  

 

○2  議員は、皇族二人、衆議院及び参議院の議長及び副議長、内閣総理大臣、宮内庁の長並びに最高裁判所の長たる裁判官及びその他の裁判官一人を以て、これに充てる。

 

○3  議員となる皇族及び最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官は、各々成年に達した皇族又は最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官の互選による。

 

第二十九条  内閣総理大臣たる議員は、皇室会議の議長となる。

 

第三十条  皇室会議に、予備議員十人を置く。

 

○2  皇族及び最高裁判所の裁判官たる議員の予備議員については、第二十八条第三項の規定を準用する。

 

○3  衆議院及び参議院の議長及び副議長たる議員の予備議員は、各々衆議院及び参議院の議員の互選による。

 

○4  前二項の予備議員の員数は、各々その議員の員数と同数とし、その職務を行う順序は、互選の際、これを定める。

 

○5  内閣総理大臣たる議員の予備議員は、内閣法 の規定により臨時に内閣総理大臣の職務を行う者として指定された国務大臣を以て、これに充てる。

 

○6  宮内庁の長たる議員の予備議員は、内閣総理大臣の指定する宮内庁の官吏を以て、これに充てる。

 

○7  議員に事故のあるとき、又は議員が欠けたときは、その予備議員が、その職務を行う。

 

第三十一条  第二十八条及び前条において、衆議院の議長、副議長又は議員とあるのは、衆議院が解散されたときは、後任者の定まるまでは、各々解散の際衆議院の議長、副議長又は議員であつた者とする。

 

第三十二条  皇族及び最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官たる議員及び予備議員の任期は、四年とする。

 

第三十三条  皇室会議は、議長が、これを招集する。

 

○2  皇室会議は、第三条、第十六条第二項、第十八条及び第二十条の場合には、四人以上の議員の要求があるときは、これを招集することを要する。

 

第三十四条  皇室会議は、六人以上の議員の出席がなければ、議事を開き議決することができない。

 

第三十五条  皇室会議の議事は、第三条、第十六条第二項、第十八条及び第二十条の場合には、出席した議員の三分の二以上の多数でこれを決し、その他の場合には、過半数でこれを決する。

 

○2  前項後段の場合において、可否同数のときは、議長の決するところによる。

 

第三十六条  議員は、自分の利害に特別の関係のある議事には、参与することができない。    

 

第三十七条  皇室会議は、この法律及び他の法律に基く権限のみを行う。

 


   附 則

 

○1  この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。

 

○2  現在の皇族は、この法律による皇族とし、第六条の規定の適用については、これを嫡男系嫡出の者とする。

 

○3  現在の陵及び墓は、これを第二十七条の陵及び墓とする。

 


   附 則 (昭和二四年五月三一日法律第一三四号) 抄

 

1  この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。  

 

 

*誤変換、他は後ほど推敲致します。

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