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Channel: 井沢満ブログ
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猫ふんぢゃった 袴ふんぢゃった♪

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「わが家」の小説版を出していただいた竹書房の担当のAさんと
お会いするので、着物を着た。
人様にお会いする時はこのところ、なるべく着るようにしている。
回数勝負で着物は躰に馴染むし、着るのが一番の手入れと聞きもする。

ふと思い立って袴をつけてみたら、着流しから2,3段は格が上がって
驚いた。・・・・・のはいいのだが、袴をつけると私の脳裏には
「猫ふんぢゃった」の旋律が、かすかによぎるのである。

というのも、「母。わが子へ」が賞を頂いたのだが、その授賞式に
袴をつけたのである。場の格式から、袴がいいと
思ったからなのだが、実はつけ慣れていず不得手である。
なんでだか、ゆるゆる落ちて来るのである。

会場がある六本木までは無事付き、途中でスタッフの人たちと合流、
大沢樹生ちゃんと久々にぱったり遭遇したりなどしながら、機嫌よく
会場に向かっていたら、不意に草履の足先に違和感、と共に、
ビっと微かに布の避ける悲鳴がして、私の足に裾を踏みつけられた
袴のどこかが、微妙に裂けていた。

裂けて垂れ落ちてくる袴を素知らぬふりで手で押さえたまま、私は会場入りし、
階段を上がり、エレベーターに乗り、今思えば人に気づかれぬよう、なんという高等テクニックであったろう。

会場のあるフロアに着いた私は、その足で洗面所に向かい、
幸い無人の洗面所で素早く、裂けた袴を脱ぎ捨てたのだった。
会場では、ステージ上での挨拶もあり、裂けたのが壇上でなくて
本当に助かった。テレビカメラが入っていて、NHKが全国放送
していたのである。後で録画したDVDを見たら、裂けた袴の
ショックの色も見せず、エールを頂いた宮城県知事さんに
感謝を述べつつ、ちゃんと挨拶していて、観客席から
薬師丸ひろ子さんが拍手してくださっていた。

それ以来、私の脳裏には「セーラー服と機関銃」の歌声と共に
「ふんぢゃった」つながりで、袴を見ると
「猫ふんぢゃった」が鳴るのである。それもピアノではなく、
古びたオルガンで、ふがふがと鳴るのである。

今日は無事だったが、それでもやはりずり落ちてくる。
サスペンダーを使ってみようかとふと思った。羽織を
着れば隠せるかもしれない。サスペンダーがバレたら、
これ、新しいファッション、とでもうそぶいてればいい。

竹書房のAさんとは今後書きたいかも知れない小説の材料について
幾つか喋らせて頂いて、喫茶店にはジュースやカフェオレを
お代わりしつつ、4時間間近くも座っていた。
ひと通り話し終わったら、Aさんが小説だけではなく、
ノンフィクションもいかがかと、仰る。
私に書けるノンフィクションってなんだろうと、きょとんとしていたら
たとえば「愛国心について」やさしい言葉で、と仰り
ああそのラインなら書けなくもないか・・・・と思った。
ブログでそれっぽいことを、たまに書くのを読んでくださっていての
提言であった。中高生にも解る国家論や日本語論をいつか
書いてみたいと思ってはいた。国家論と日本語論は合体も出来る。
・・・・・何を書かせて頂くか、いまだ頭の中は混迷の霧が漂っているが
いずれ整理したい。小説とノンフィクションと平行して書くというのも
面白そうだ。

Aさんからは、珍しいせんべいを頂戴した。
醤油味ベースだと思うが、付属の山椒の粉を
まぶして頂くのである。午前中に売り切れる人気せんべいなのだという。
癖になる味だった。


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