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Channel: 井沢満ブログ
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セックスしない男たち

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毎日新聞社の、性に関する調査が興味深かった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150205-00000012-mai-soci

<セックス離れ>若い男性、性の「絶食化」 3000人調査

関心がないどころか「嫌悪している」という
項目まであり、うなった。

一部抜粋してみる。

>性交経験率が5割を超える年齢は「29歳」

>セックスについて、「あまり、まったく関心がない」と「嫌悪している」を合わせた男性の割合が18.3%で過去最高に

ものの書き手としては、大いに考えるべきことで・・・・というのは
古来、性への衝動が男の野心と結びついて来たのであり、それは政治にしろ
商売にしろ、文化にしろ。

いい女を手に入れたいという一心で、不器量な小男も仕事に励み、
出世し、美しい雌を手に入れてきたのだ。その構図が根底から覆りつつあるとしたら、
ものを書く側の意識も旧態依然の人間観、男女間では捉えられなくなる。

「わが家」における一歩はそれなりに時代の風は感じ取っていて、
普段は修道院にいられるぐらい性欲は淡いが、一度火がつくとそれなりに、
という人物像として描いたのだったが。

女性の性への本能の希薄化については、男ほど最初からダムが決壊するたぐいの
瀑流ではなく(人により差が激しくはあるが)、それなりに忘れて過ごすことも
可能だと言うのは解るのだが、男が本当に変わりつつあるようで、
それは身辺でも思う。

男が化粧する時代となり、女が男っぽい言動をするようになり性差が縮まったことにも
原因があるのだろうか。異性としての謎がなくなり、探求するときめきが
少なくなった、というもっともらしい説明はできるけれど。でも何か、もっと基本的なことか。

天がこれ以上の人類の増加を望まなくなった、という仮説。しかし世界的に見て
その傾向なのかどうか。

このままの人口増加が続くと、世界規模での食糧は尽きる、と言われている。

歳月を経た夫婦のセックスレスはそれなりに解るので、さして考察の対象にはならない。

二十代三十代の男たちに、個別インタビューしたいぐらいである。

私は、少子化について何かを語るほど考えたり調べたりをしていないので、
何かを断言する資格は皆無なので、それを前提にした単なる「感じ」でしかないのだが、特段困ったことではないような気がしている。
おそらく数を望むのは、生産を最重視した国家的視野での
次元であり、国内で生産栽培でき、海で穫れるものだけで、
静かに慎ましく暮らしましょうという選択肢もありそうな気がするのだ。
やや比喩的表現で言うなら、食いまくるから原子力や石油のエネルギーも要る。

むろん、防衛力のみは万全に保ってのことであるが。
乱暴なことを言うなら、核を保持したら防衛自体にさほどの
人数は要らないのではないか。

とここで思考が飛躍するのだが、そもそも人がこの世に生まれてくる目的って
生産性を求めて、あくせく働くことなのか?

私の考えるユートピアでは、人は体や精神まで酷使しては働かない。
住まいは、低層階で要するに土と緑に近い暮らし。
小鳥の声が絶える場所が現れたら、要警戒地域として
緑を増やし、川の埋め立てなどもっての他、地球は地球自身の意図で
水を流している。

アスファルトで固めては地球の「皮膚呼吸」を妨げ、窒息させるので
最小限にして、両端と中央はベルト上の土、そこには草木や花が生い茂る。
かくして最も激しい往来ですら、季節が巡れば虫がすだき、蝉が鳴く。

若者から性衝動が薄れた話から、なぜユートピアに話が及ぶのか
我ながら思考の脈絡を辿れぬのだが、ひょっとしたら現代の
若者から性衝動が希薄になって行くことを、私は「進化」の
過程として捉えているのかもしれない。
その心を述べれば、もっと紙幅を要する。

いずれ、地球もその生命を終える時が来る。
そのことを、恐怖として捉えるより静かな至福の感覚で捉える私は
少数派であるだろうか。自分の生存時期に地球の命脈が
尽きることはないという安心感で言っているわけではない。

もう私は、転生してここに戻って来たいとは思わぬが、
輪廻転生は、自分の意志が働くシステムでもどうやらなさそうで、
案外地球の終末期に生まれて来ないとも限らない。
地球と共に滅びるか、他の星に移住するか道はおそらく
二つに一つ。

こんなことを考えていると、地球と語らいたくなる。
たぶん、私は変なのだろう。

 


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