イタリアのプロデユーサー、Claudio氏から公演日当日の動画を送って来ました。
私自身は、開演時間すら知らされず劇場差し回しの、内装が凝ったベンツに
言われるまま乗り込み、劇場前の人の多さに驚きつつ、運転手の青年に
手を取られ車を降りたらいきなり歓声と凄まじいフラッシュ、
テレビカメラで、狐につままれたようだったのですが、
今こうして、全体を俯瞰で捉えたような動画を観ると、
敏腕プロデユーサーClaudioの描いたシナリオにまんまと
私も乗せられ、宣伝のための一つのコマとして、彼の手のひらで
転がされていたのだ・・・・と解ります。
いえ、不快を表明しているわけではなく、褒め言葉です。開演前のパーフォーマンスを仕掛けに仕掛けて人々を煽るやり口で、ほとほと感心しているのです。
この動画自体が最初からの青図通り、構成が成り立っていて、
手際の良いこと。
Georgie il musical al Teatro Sistina
今観るとまず、私の滞在ホテルから劇場に到着する時間を測っていて、私を乗せたベンツが現れると即座にそれを正面から捉えるべくカメラをスタンバイさせていたことが、解ります。あの群衆の中、カメラは最初から位置を確保、準備してないと撮れない構図です。
彼の脳裏には宣伝媒体としての動画作りのコンテが、きちんとあったのだと思います。
なにゆえに、イタリア全土からコスプレ族が集結したのか解らなかったのですが、これもおそらくClaudio氏の仕込み。それによりマスコミに働きかけ、芝居とは別要素をも加味して動かしたな、と睨んでいます。
物語がシドニーに汽車が開通した1985年頃の話なのですが、それから
舞台はロンドンへと移り、当時のイギリス王室をも含む上流社交界が背景になるので
コスチューム・プレイの要素が大きいのです。
そこに着眼、コスプレ族を煽ったかなあ、と想像しています。コスプレ族の人数自体は
さほどのことでもなかったのですが、その場の盛り上げには有効でした。
ひとしきり彼らと私の写真を写しつつ、そして市内のみならずミラノや、
遠くはシチリア島から駆けつけてくださったファンの方たちと私を交流させつつ、いよいよスターたちが登場という段取りなのですが、スターたちは扮装のまま、馬に引かせた馬車で表に登場させ、ひときわ高い
歓声、という構成です。ロビーでサインやらファンの方たちとの2ショット撮影に
追われていて(次から次、子供からいい年齢の男性まで含め半端ない数だったのです)
馬車の演出は、動画を見て初めて知ったようなしだいです。
馬まで登場させて、すでに芝居のオープニングなのです。悪役は
私と視線も合わせず、参集の人々に銃を向け恫喝します。
動画の当初、ロビーで踊ったり仮面をかぶった人たちはコスプレ族で、登場人物ではありません。
コツコツと上演を重ね、ついにイタリアのミュージカルの殿堂と称される
システィナ劇場に持ってきたClaud氏の辣腕に脱帽。
イベントと公演の翌日、イタリアのテレビで流されると当日聞かされたのですが、
私は見ていません。それにしても、原作者としての私の訪問だけでは、
イタリアのテレビが流すほどのことではなかったでしょう。
ひとえに、プロデューサーの繊細かつ大胆なさばきに帰することです。
誤変換他、後ほど