表題は、江戸川乱歩が好んで色紙に記していた言葉で
端的に乱歩ワールドを表しているかと思います。
昨夜、奥山和由版「RAMPO」を観て、たけし映画(「ソナチネ」)に見る
暴力性のかたわらに、こんな耽美を裡に隠し持って
いらっしゃるのかと、いよいよ奥山さんという
お付き合い初めの方に興味をそそられたのでした。
また、まかせた監督の作品が気に食わないと、自ら
撮り直す気迫とやんちゃぶりも好もしく。
同じ台本に拠る違う監督の二作が同時上映され、
それも話題を呼んでヒットとなったようなので、
かたわら、プロデューサーとしての計算もあったのかなぁと下衆の勘繰りを
したりもしていますが、面白い。
自作版の上映時は、香水を館内に漂わせたそうで、嬉しさに絶句
します。
本木雅弘くんと羽田美智子さんが、特筆すべき美しさです。
夜の夢の中で息し続けられればよいけれど、目が覚めれば
しらじらとした現実。乱歩というひとは、しかし人の数倍
夜の時間が長い、至福の人であったかと思われます。
ふと、泉鏡花を思い出したりもするのですが。
美に耽る映画が払底しています。そういえば、可愛がって頂いた
鈴木清順先生も、美学に殉じる方でした。
誤変換、他の地ほど。