わざわざ追いかけてまで見るほどの律儀なドラマファンではないのだが
新シリーズの「相棒」はたまたまオンタイムで見て、唸った。
これは見事な政治劇。サスペンスに形を借りながら丁々発止の
せりふのやりとりには「特定秘密保護法案」などという言葉も出てきて、
誰だ、このしたたかな作家は、と見れば輿水泰弘さんで、
この方がメインライターでいらっしゃるのだろうか。
昔、テレビ朝日に連ドラを書いた時、病み上がりだったので
1話分だけ休養期間を頂いて、助っ人に入っていただいたことがある。(要するに読み切り形式であった連ドラの1回分を書いて頂きその間、私は体を休めたのだが、その休養の間に、愛犬が逝き、手厚く送ってやれた。そういう意味では輿水さんは恩人である)
ある国家の中枢にいる人物が、国の秘密を売り渡す連中を次々に殺していく話で、「売国奴」というセリフが頻発して、私は実のところ法の壁に阻まれ制裁も受けない連中を殺していく犯人のほうに心情が寄り、今回ばかりは右京さんの最後の、正義の決め台詞に説得力が薄かった。
そりゃあ、テレビなのでドラマとはいえ殺人を肯定するわけには行かず、しかし時代劇なら「必殺仕置人」で成立、要するに現代版仕置人のお話であった。
私にも腕力と頭脳があれば、始末したほうが早いなと思う人物は、一人二人にはとどまらぬ。いや、正直な話。といって、テロは肯定出来ぬけれど、
頭のなかでは何人も何度も、刺したり締めたりしている。
天誅とつぶやき仰ぐ冬の月
売国奴を撃つフィクションから「報道ステーション」という現実を切り取る番組に直結して、思わず私は笑ったのだったが・・・・・
まぁ慰安婦問題の朝日新聞と表裏一体で、くっついているような番組枠ではある。
古舘さんが報道ステーションをなさる遥か以前の、古舘さんが仕切る
番組に私はゲストで招かれたことがあり、その頭の回転の速さ、仕切りの上手さが現場にいるとよく解り、それは福沢さんも同じなのだが・・・・・
あの古舘さんがいかなる本心を隠しながら? スタジオの中央に
座り続けていらっしゃるのだろうと、私が一瞬だが直に存じ上げている
人としての肌合いのいい古舘さんとの一種の乖離に、人の存在の面白さを
感じなくもない。
それにしても、見かけるたび衣装の凄さに目を見張る。さりげないが、
お金のかかった趣味の良いスーツ。
番組のメインの司会を始めるタレントさんたちが、初期の野暮ったさを
抜けてだんだん洗練されてくるのは、スタイリストがつくからだが、
古舘さんは最初から売れっ子でいらしたせいか、というよりご自身の事務所に
スタイリストを抱えていらしたような気がするが・・・・・・
プロの手が入る入らないで、衣装のレベルの差が歴然とするので面白い。
私も昔わりにフジテレビに出ていた頃、つかの間スタイリストをつけていたことがあるが、自分では選ばない色目や材質のものを持って来て、やはりプロだった。
ひところ、野球の世界の大沢さんや江原啓之さんなど、和服で毎回凄いのを
とっかえひっかえ出演なさっていらしたが、たぶんスタイリストが用意した
レンタルであろうと見ていた。毎回見事であれだけの和服を毎回、
自前で用意していたら一回しか着ない和服に、おそらく月300万程度の出費。レンタルだと思うが、江原さんとは何度かお会いしているのに、
訊いておけばよかった。収入の桁が違っていたので、案外自前です、
とアッサリ言われて腰を抜かす可能性も皆無ではないが。
税金でごっそり持って行かれるなら、番組で使う衣装は経費として落ちる。
そういえば、最近男のレギュラー出演者で和服を見かけない。
・・・・・・・昨夜は、気が付かず新シリーズの「ドクターX」は最後の
5分しか見ていない。次回予告に、岩下志麻さんが出ていらして和服。
極道の妻のような雰囲気でやっていらして、出演回は拝見すると約束しているので、次回は見過ごせない。
自分のほうのドラマだが、出版社の方からメールで「音入れ」(効果音や音楽)していないDVDを見たが大変面白かったそうだ。
私はスタジオに通った2日間で見たシーンしか知らない。
ある若手俳優を一番生かせるのはあなただから、ぜひ書いて欲しいと
俳優のファンの人達からリクェストを随分頂いたのが数年前で、私の一存ではいかぬこと、お応えも出来ずにいたのだが、次回はその俳優さん主演でやっとファンの方たちの声に応じる事ができる。彼の新しい一面を引き出せたと自負している。