靖國神社さんから、早々と燈籠祭りに掲げる雪洞への
揮毫依頼が来るのは毎年のことだが、書かぬ間は
気が重くてかなわない。
文章は一瞬に浮かぶのだが、長年ワープロ打ちで指が書き文字を
忘れ果てていて、おまけに更に不慣れな筆文字でその、見苦しいこと。
立派に表装されて掲げられるのも心苦しく、
今年は不義理をしようか・・・・と気弱く思っていたのだが、さっき腹を据えて書いた。恥さらしでいいや、と。
拙く綴った和紙を丸めて、送付用の筒に入れて
蓋をしたとたん、気が楽になった。
とはいえ、楽々と書いたわけではなく字のまずさには
目をつむって今回は試し書き無しで一気に書いてしまおうと
書き終えたとたんに、文章半ばの誤字一字に気づいて萎えた。
予備の和紙は一枚きりなので、緊張して書いた。
書きながら「若き特攻兵たちの文章の格調の高さ」と書くべきところ
「格式の高さ」としてしまったことに気づいたが、もはや和紙は
尽きている。絵が描ける人が羨ましく、書が達者な人は
更に羨ましい。私に欠けているのは方向感覚と絵心である。
それと筆文字。初めて提出した時は台湾元総統でいらした
李登輝氏と並びたいそう誇らしく嬉しかったのだが、李登輝総統の
墨痕淋漓の能筆と並ぶと、美空ひばりさんと音痴が並んで
歌を歌っている塩梅。
さて今年はどなたと「肩」を並べるのやら。昨年はデヴィ夫人
だったような気がする。最近は政治家は外されているような気がする。
政治家が靖國神社の祭りと関わってはまずいのだろうか。味気ないことだ。