春ふぐを、当分これが最後ということで食しに
出かけた。
感想は「ふぐは冬に限る」だったが、提供できるか
できないか解らないと事前に言われていた白子は
無事出て、これを焼いてもらって塩で食べるのは
やはり絶品だった。
さてやはり話題は、新元号についてであるが、
柳美里という韓国籍の作家のツイートに
首を傾げた。
「日本という国を構成しているのは、日本人だけではありません。 日本語という言語を学び、日常的に使い、表現をしているのは、日本人だけではありません。 日本で暮らし、日本語を母語とする外国人はたくさんいます」
事実だが、このコメントが次の安倍総理の新元号説明に対して
なされたとなると、何を言わんとしているのか意味不明。
「元号は、皇室の長い伝統と、国家の安泰と国民の幸福への深い願いとともに、千四百年近くにわたる我が国の歴史を紡いできました。日本人の心情に溶け込み、日本国民の精神的な一体感を支えるものともなっています」
安倍総理のこの言葉のどこに柳美里さんはひっかかったのか。
天皇陛下は言わずもがな、日本国民の統合の象徴でいらっしゃり、
外国人はその意味では関係がない。
柳美里さんは、こうもおっしゃる。
「国民、日本人、と繰り返すことで、除けられた、弾かれたと感じる日本在住の外国人は多いはずです」
ここは日本国である。国民、日本人と繰り返す以外に何があろう。
これに対する反感は、他の外国籍の人々にはないように見受ける。
言外に在日コリアンの方々への差別をおっしゃりたいのかもしれないが、
差別は柳美里さんの母国韓国が日本の数倍あることを、ご存知ないのだろうか。
イギリス在住の日本人が、「女王陛下」「GOD Save The Queen」と
繰り返されると、除けられた、弾かれたと感じる、などと発言したら
失笑されるであろうに。それが不快なら、日本へ帰れと言われるのがおち。
それにしてもこの先、元号が古事記や日本書紀から採取されたとしても、
漢字二文字を使うならしょせん出自は中国であり、猪瀬氏他は
延々それを「わざわざ」指摘し続けるおつもりか。
今や漢字も漢詩も日本によってよく保たれ、中国で使用されている
幾つもの熟語は日本製であるというのに。
言えば、元号の出所などある種の権威付けのためであり、
漢字二文字の組み合わせがどこから拾ったものであれ、
広く国民が納得し受け入れられるものであるならば、それでよい。
元号が発表されるたび、中国中国と騒ぐ人たちがいるなら、
別に出典などなくてもよいではないか、といくらか
乱暴に私などは言ってしまいたくなるのである。
「令」を命令として受け止める人たちがいて、ちゃんと説明が
なされているのに、どうしてそのように曲げて捉えるのか不思議だが
このたびの「令」の謂れを心得ない海外メディアに対する外務省の
英訳は「Beautiful Harmony=美しい調和」である。
単純にそれだけのことである。
ふぐは冬に限るが、元号はどこまでも日本人の発想に
限りたい。