相次ぐ児童の虐待死と共に指摘されるのが児童相談所の対応の
杜撰さである。
詳細はもう報道で皆さんご存知だろうから省くが、札幌児相の
対応が言語を絶する酷さだ。
あざや傷がないから虐待と認めず、とは一体なんだろう。
2歳の子が体重6キロ。たとえは不適切だが、(解りやすくするために)
小型犬並の体重をなぜ疑わないのか。そして実際にはアザはあった。
一連の対応の無責任さもさることながら、私が驚いたのは
札幌児相高橋某氏の、心の痛みのかけらも感じられない、
そして言い訳に終止した会見であった。
札幌市は大都市であり、案件の数が手に余っているだろうことは
想像出来るし、イギリスに比べれば職員一人が手がける案件が
3倍だそうで、しかも薄給である、という点は理解も
同情もするし、早急に改善が必要だとは思うが、しかし
それにしても、札幌児相の所長がこれか、とは思う。
また札幌市には夜間業務を委託する施設もあるのに、
そこへの連絡も怠っている。その施設「札幌南こども家庭支援センター
では依頼があれば、夜間でも警察に同行したと明言している。
札幌市児童センターは、一人の幼児を見殺しにしたと
言われても返す言葉を持ってはいまい。
政府は対応策を練るそうだが、児童相談所員の薄給と過酷な
勤務状況を改善することも、大事な点であろう。なかんずく
「教育」の徹底を。
余談に逸れるが、亡くなられた詩梨ちゃんのお名前。ルビなしで
「ことり」と読める日本人が何人いるだろう。
キラキラネームも行き過ぎていないか。加害者の母親プリクラ画像を
見れば目を極端に大きくした、今どき特有のメークと細工での
ピース写真。いかにも、と思わせる名付けではある。
我が子の将来を考えた時、振り仮名を振らねばならない名前が
幸せな名前なのだろうか、とそう思う。
この母親にとって子供は、インスタばえのするペットだったのかも
しれない。
音だけにこだわった当て字で、漢字本来の意味を見失った
赤ちゃんの名付けに、日本語の危機をも感じる。
青空と書いて「スカイ」と読ませるのは認められているが、
これなどまだしも許容範囲(でもないのだが)。それを遥かに逸脱した
命名を見かけることが多い。(名前としてのカタカナ書きは
受け付けられず、読みのみである)
ネーミングに用いる漢字の意味に、その子の将来への願いを
託したかつての親の素朴な心根に立ち還って欲しいと思う。