冷え込んだかと思うと暑くなり、体調を崩されている方もいらっしゃるのではないだろうか。
来年の東京五輪の、そもそも招致に当たっての不明朗に加え、その後の金銭的乱雑さ胡乱さ、湿気と熱射の街と化す時期の開催に異議を唱えているうちにチケットが売り出され、当たった当たったという歓喜の声がテレビから聞こえ、今更アンチ五輪を表明しても野暮ったいだけなのだろう。少なくとも私の身の回りの人たちは、さして興味も示さず冷めているのでテレビで流されている光景はパラレルワールドのようである。
どんな卓越した暑さ対策がなされるのかと思っていたら、せいぜいミストと菅笠、打ち水。東京と開催地を競ったマドリッドが今月41度に達した日が数日
あるそうで、湿度が違うので単純比較は出来ないがあちらで開催されていても
暑さ対策が大変だったのだろう。妙な時期の開催は、アメリカのマスメディアの都合でしかないのだが。
暑いさなかの、五輪の最中は街もあちこち不自由をかこつ状態となるのだろうが、それはお国の行事として耐えることにするが、しかし呆れたのがG20が開催される大阪のおばさんたちの「迷惑や、うちら何の関係もあれへんやんなぁ」と口々に陽気に言い放つさま、あるいはこういう面白げな人たちばかりの声を流しただけなのかもしれないが、げんなりした。日本国の外交は決して「何の関係もあれへん」ことはない、巡り巡っていずれ個人を直撃するものを、と言うのも野暮であろうか。
トランプ大統領の大相撲観戦の時も同じく「迷惑」と口にする人がいて、本当のファンにはいかにもそうなのであろうが、しかし日米関係がへたれれば相撲どころの騒ぎではないのに、とこれも言ってみても虚しいか。
折しも、どうやらトランプ大統領の「本音発」でいびつな日米安保の解消もしくは、在日米軍の駐留経費の日本全額負担要求やらが聞こえて来る。
日本に基地があることはアメリカにもメリットがあるので、全額負担はお断りしたいが、しかし日米安保が片務的だと指摘されれば、言い返しもならず。
もりかけ問題に続いて今度は年金問題が国会の政争の具となり、それらが大した問題ではないとは言わないが、国の基軸に関わる憲法改正が遠のくのが危ぶまれる。
米の駐留軍が引き上げ日本が丸腰になった時、憲法改正反対の人たちはどうするつもりなのだろう。殺すぐらいなら殺されよ、という極論を言う人達もいるが、それは大人の論理であり、そこに赤ん坊子供たちを巻き込む権利はなかろう。
核武装と先制攻撃が何より平和を守る手段であるという、どうしようもないパラドックスの中にいるのが私たち現代人である。