ホワイト芸人のほうは、もうさんざん意見は出尽くしているし、今更私が何かを言うべきこともないのだが、このほど日本が韓国を「ホワイト国家」から外し、要するに優遇措置を廃したその後の成り行きを見ていると今後の展開からも目が離せず、さながらよく練られたドラマを見ているようだ。
成り行きを観察していると、これはおそらく米国も承知のストーリー展開だな、と「作者」安倍官邸の作劇術が透けて見えて来るようだ。
参院選目当ての一時しのぎのパーフォーマンスだと、たかをくくる向きが日韓共にあるようだが、私はそうは思わない。トランプ大統領とすり合わせ済みの措置ならなおのこと、選挙前の打ち上げ花火だけで終わろうとは思えない。韓国にとっては過酷なドラマ展開が予想される。サムスンやLG他の企業だけをターゲットの措置ではなかろう。韓国という国家を的に弓矢はキリリと引かれた。
青瓦台では強気の発言を繰り出しているが、内心の悲鳴が聞こえてくる。
高官の中には、「日本の対抗措置など、前もって読めていた」と吹く者までいるが、読めていて備えをしておかなかったのなら、なお政府の評価は下がろうに。
ことここに及んで日韓通貨スワップを願う声が韓国から聞こえてきて、ここまで日本はお人好しだと見くびられているのだな、と慨嘆せざるを得ない。
日本が感謝もされない、どころか急場を救ったとたん罵りで返してくる韓国の通貨スワップ要請に応じることはないだろうが、韓国はそれでもまだ「日本から願ってくる形にするのがよい」などと、居丈高なさまは相変わらず。
まるで「暴れん坊将軍」の悪徳商人のように、善人を見くびり見下したイケ図々しいセリフである。
悪がいっとき栄え、しかし大団円では正義の刃に滅ぼされるのが勧善懲悪時代劇のお約束であり心地よさなのだが、こと日韓関係では道理がうやむやにされたまま、自民党内の悪徳商人と結びついた悪大名により、かえって貢がされるというバッドエンディングで、後味の悪いドラマが戦後延々と続いて来た。
しかし、どうやら今回は今までの日韓連続ドラマとは趣きを異にして、「上様」がついに葵の紋どころの剣をカチリと鍔に鳴らし、スラリと白羽を抜いた。
私の耳にはラストで流れる「暴れん坊将軍」のテーマ曲が鳴り響くのである。
よきところで上様の助っ人に現れるお庭番と「くノ一」は、さしずめトランプ大統領と・・・さあ「くノ一」は誰だろう。案外、実は韓国内の理不尽な侮日に明け暮れる人々であったりして。
「ええい、このような所に上様がいらっしゃるわけがない、であえ、であえ、斬り捨てい!」と呼ばわるも、アメリカと中国はいっかな駆けつけてはくれぬ。
「潔くせい!」と上様に一喝された悪人は、自ら腹をかっさばくか、あるいは見苦しく取り乱したところを、助っ人の御庭番にバッサリ袈裟懸けに斬られて虚空を拳で握りしめ、パタリと息絶えるのである。
日韓ドラマは、そう単純な筋書きではなかろうが積年我慢に我慢を重ねていた人物がついに、もはやこれまで! と意を決して太刀をひっつかみ立ち上がったその姿、何やら日本を思わせて、お主がんばられよ、最後までやり通しみんごと本懐を遂げられよ、と私はエールを送るのである。
払暁までややしばし、「暴れん坊将軍」の再放送が30分後には始まる。