十八の頃から知っているので、どこか娘みたいな気分もある三田寛子ちゃんの
ことです。
歌舞伎役者と芸妓なんて、何かあって当たり前ぐらいなんでそれはいいとして、
ただ、許せないのが女のほうの、けじめのなさなのです。
この前の稿にも書いたように、あたしゃプロでないやつってのが、でえぇっきらい。
皇族もそうなんです、変な言い方ですけど。
要するに立場をわきまえてない人。身に応じた振る舞いが出来ぬ人。
耐えぬ人、努めぬ人。
市さや、とかいう人は男の一世一代の大襲名披露を前のお練りに、のこのこ顔を出していたとかで、しかも「にいさん、私の顔を見てくれなかった」って、ばかでしょうか。
日陰の身なら日陰に徹しなさいよ。愛人という立場でも、昔は
プライドと共にけじめがありました。のこのこ、日の当たるところに
シャッつらさらして、恥を知りなさいっての。
表に出りゃ、妻の顔に泥を塗るでしょうが。
子供たちが傷つくでしょうが。
妻の親が泣くでしょうが。
個人名を書くのは控えていたけれど、密会の場が
私も参列した披露宴のホテルだと。バカにすんじゃないよ、と
関係ないっちゃないんだけど、あたしまで泥水浴びせられた気分で
珍しくキレちまった。
最低だね、愛人のプロとして、花柳界のプロとして。
売れっ子だか知らないけど、心根は柳の陰で茣蓙(ござ)しょって、
おいでおいてしてるランクです。線香一本燃え尽きるまで、
蕎麦6杯分価格の昆布巻き安女郎だっての、ホテルで小一時間の
逢瀬だと。
そりゃ女のほうだけ責めるのもなんですが、寛子ちゃんにとっては
それでも大事な旦那さんだから、あたしゃ言えないし、
顔写真載っけてやりたいぐらい、珍しく個人に向かって腹を立てている井沢満でした。
ただ、今回に限らずプロ意識の低い連中が跋扈していることを、常日頃
嘆いていたところなので、つい。
こんなけじめのない昆布巻き芸者が売れっ妓とは、昨今花街の客の見る目も貧相になったのだろ。
お見苦しいところをお見せしました。